パウンドケーキ、たぶんお菓子作り人生で一番作ったケーキ。
学校の家庭科の授業でも作った記憶があるし、材料もシンプルで工程もシンプルなんだけど意外と失敗ポイントがある。実は奥の深いケーキだと思う。
今年に入るまでなんとなく作って、なんとなく満足する程度だった。
だけど菓子屋シノノメさんでお取り寄せしたお菓子便に入っていたパウンドケーキのしっとり美味しいのに感動。それからは立て続けに作る日々に。
その中で感じたポイントなんかを綴る。
バター分離を防ぐ方法
卵とバターをきちっと常温に戻す
パウンドケーキをシュガーバッター法(バターを溶かさずに作る方法)で作るとき、バターをクリーム状にするわけなので常温に戻すと思う。
このあと、卵を入れる工程で「バターは常温だけど卵は冷蔵庫から出してきたばかりで冷たい」という状態だと、バターとうまく混ざらず分離する原因になってしまう。
多くのレシピ本にも書いているのだけれど、卵とバターはきっちり常温に。
室温にもよるけど夏場は30分ほど。冬場は1時間超くらいじっくり時間をかけて室温に戻すようにしている。
真冬でかなり室温が低い場合なんかは少しだけ卵を温めるのも一つの手。
ちなみに、ものすごく急ぎでという場合なんかを除いてバターをレンジで常温にするというのは個人的におすすめしない。
やりすぎて溶かしてしまったりすると取り返しがつかないので、ゆっくり室温に戻すやり方推奨。
バターをクリーム状にする工程を気持ちしっかりめにする
シュガーバッター法の場合、常温のバターをクリーム状にして、砂糖(グラニュー糖)を入れながらふわっと混ぜる過程がある。
この工程が意外と響いてくるので、わりとしっかりめにやるのがおすすめ。
バターが黄色っぽいと分かりやすいのだけれど、真っ白になってグラニュー糖のざらざら感もなくなって本当に滑らかな状態となる。
ちなみにお菓子作りで使うグラニュー糖はできれば微粒子を謳っているものが使いやすくておすすめ。
ハンドミキサーとはいえ、疲れちゃうのでなるべくはやく混ざりやすい材料が良い気がする。
私が使っているのはこれ↓
卵を入れる工程で10回に分けて入れるつもりで混ぜる
いよいよ問題の卵を入れる工程。
多くのレシピで2,3回に分けてという感じで書かれていると思うけど、10回くらいに分ける気持ちで少しずつ入れるのが個人的なポイント。
仮に3回に分けるとして、均等に入れられたら問題は少ないけれど多くの場合目分量で入れる工程だと思う。
一回分の量が思いがけず多くならないようにしたいので細かく分けると一気に安定する。
私はこの卵を入れる工程を細かくすると安定感が爆発的に上がったのでお勧め度は高い。
正直、この方法をやり始めて以来、分離しかかったことはゼロ。体感的に効果を非常に感じた。
それでも分離しかかったら
完全に分離しちゃったら使えない技なんだけれど、分離って「あぁやばそうだなこれは」という気配がすごく漂う。
若干もろもろっとしそうな混ざり切っていない雰囲気がそれはもうビンビンに伝わる。
そんな時はあとから入れる計量済の薄力粉の一部をとって、混ぜ込んであげる。
これでけっこう救われます。
ちょっとくらいの分離なら出来上がりも特に問題なく、美味しく食べられるので多少の失敗はリカバリーできるという気持ちでいきましょう(´艸`*)
焼きあがったら翌日までしっかり寝かせる
しっとりと口当たりの良いパウンドケーキには必須の工程、寝かせ。
焼き立てにシロップを塗るようなタイプのパウンドケーキだとより一層しっとり感が増す。
だけどシンプルなパウンドケーキでも、焼き立ての熱い状態でラップをきっちり巻いて翌日まで冷ましてあげるとパサつかずしっとり。
(やけどに注意)
焼き立てを食べたい気持ちも重々分かるけれど、切らずに蒸気ごとラップで包むとしっとり感が増して非常に美味しく感じる。ぜひ翌日まで我慢を。
比較的日持ちのするパウンドケーキだけど、すごく期間にゆとりをもって食べたい(沢山作ってしまったとか)場合、この段階で一切れずつラップに包み冷凍している。
焼き菓子やパン、あくまで個人的な考えだけど出来立ての美味しい状態で冷凍した場合、風味の落ち方はやや緩やか。
個人的には気にならないレベルの劣化なので、「これは2,3日で消化するの際どいな」という場合は間髪いれず冷凍庫いきがおすすめ。
ただ、冷凍するとめちゃくちゃ劣化するものもあると思うのでその場合は…..頑張りましょう。
シロップは焼きたてで塗るのが多くのレシピで紹介されているけど、どういう具合かシミになることもある。
(シロップをやや多めに塗りすぎたのが問題かなと思ってはいる)焼き立てで塗る場合は気持ち少なめにシロップを塗るのを心掛けている。
あえて生地を冷ましたあとでシロップを塗ることによってシミを防ぐという話も見かけたがこの塩梅に関してはまだ「これ」という決め手がない。
もう少し研究して安定したなと思ったらいつか追記する。
パウンドケーキでおすすめのレシピ
甘すぎないから毎日食べたくなる菓子屋シノノメの焼き菓子
ダントツでおすすめのレシピは「甘すぎないから、毎日食べたくなる菓子屋シノノメの焼き菓子」にあるジャスミンのパウンドケーキ。
ジャスミンを持っていない場合、紅茶に切り替えても非常に美味しい。
(私は頻繁に紅茶に切り替えて作ってます)
シロップを作る工程があることと、卵もg単位でのレシピなのでちょっと面倒に感じる可能性はあるけど、各工程の写真も分かりやすく、なにより美味しい。
しっとりとした菓子屋シノノメさんのパウンドケーキが自宅で再現できるのも素敵。
表題にもある通り、甘さが控えめ(とはいえお菓子的甘さは十分感じる)なので非常に食べやすい甘みでしつこさもない。
すっきりと食べられるので大変気に入っている。ヘビロテしてます。
レッサーパンダさんのバナナブレッド
ブレッドやんというツッコミが来る気しかしませんが、パンとケーキの中間のような食感の甘いパンです。どうしても紹介したいほどに美味しいのでお勧めレシピに無理やり入れちゃいます。
レシピも強力粉と薄力粉が使用されていたりと確かにグルテンパワーも用いたパンレシピなんですが、甘くて美味しい。
強力粉が入るところがミソですが、バナナパウンドだよって出しても違和感ないほどにスィーツ感のあるレシピ。
バナナがしっかり入るのでしっとりしてます。
作る工程はパウンドケーキとリンクする部分が大きいので是非、熟したバナナが家にある方はお試しください。
レシピはこちらにあります→レッサーパンダさんのバナナブレッド
アーモンドだから、おいしい バニラとラムのパウンドケーキ
お酒の風味が好きな方におすすめな「アーモンドだから、おいしい」のバニラとラムのパウンドケーキ
生地の中にわりとしっかりとラム酒が入るレシピなので相当大人の味感が強い。
アルコールの苦手な方はやや辛いかもしれないけど、お酒好きな方やアルコールの風味が気にならないよっていう方にはおすすめ。
表題にもある通り、このレシピ本はアーモンドを使用したものが主なのでアーモンドパウダーが入る。
だからしっとり感やアーモンドの風味、リッチ感も楽しめて非常に美味しい。
初心者に優しいレシピ 味わいリッチな焼き菓子レシピ
「味わいリッチな焼き菓子レシピ」は工程が丁寧で非常に失敗しにくいと思う。
粉類をふるう回数、多くのレシピで卵は2,3回に分けて…と書かれている部分がより細かい回数指定になっている点、卵を入れる前に一部の粉が入る点など、とにかく失敗を防ぐレシピだなと感じる。
安定感抜群のレシピだと思うので、まず練習するのにおすすめのレシピ。
個人的には若干甘みが強いかなと感じるが、個人の好みの話なのでサラっと流してください。
パウンドケーキの型 ストウブのハーフテリーヌ 松永製作所 焼き比べもあり
パウンドケーキの型はメインで使うものとして2つ所持している。
ストウブのハーフテリーヌと松永製作所の型
ずっとストウブの型でパウンドケーキを焼いていて、全く不満はなかったけれどひょんなことから松永製作所のパウンド型も買ってみたので焼き比べをした。
結果、味や焼き上がりの食感に差は全く感じなかった。
どちらも優秀な型過ぎて全然差を感じない。
側面もどちらも申し分なく良い焼き色がついている。
オーブンで焼く途中、ナイフで軽く切れ目を入れる工程のレシピもあるが今回はその作業を行っていない。
にも拘わらずどちらの型のパウンドケーキも表面にパクっと切れ目が入って焼きもばっちり。
頑張って差を言うのであれば出来上がりの形の好みと、型抜きになるかなと思う。
画像左側の松永製作所の型の方がエッジがきいているのでよりシャープな印象のパウンドケーキが出来上がる。
勿論味に差ができるような要素ではないので、丸みがあって可愛い感じとシャープなものどちらが好みかという違い。
それから、型抜き。一応型抜き後の写真を添える。
今回はどちらも型を傾けるだけでころっと出てくるほどに型離れが良かったけれど、型離れの良さの安定感は松永製作所の型の方が信頼を寄せている。
パンもお菓子の型も松永製作所のものを多く所持しているんですが、どれも滑り落ちるように毎回出てきてくれる。
これまでいろんな道具を使用してきたけれど、これほどまでに型離れの良いものを見たことがない!と思うほど抜群。この型で出すのに苦労したことはないです。
ちょっとお値段は張るけれど作りがしっかりしていて、型の重みからも材料の質が伺い知れる。
熱伝導も良くて非常におすすめ。
あいにく、パウンド型には適応していないけれど、今コッタさんで松永製作所のパン型はセールしてます。
もしパンを焼く方で松永製作所の型に興味がある方は覗いてみるのをお勧めします。11.1までのセールなので気になる方はお早めに。
パンやお菓子作りによく使用しているのだけど、この離型剤をしゅーっとやってから生地を入れて焼くとこびりつかずストレスフリーです。
溶かしバターでやっても良いですしその方が風味は良いと思いますが、離型剤は吹きかけるだけで一瞬の作業なので個人的に凄く楽で心からおすすめ。
素朴なパウンドケーキのアレンジ例
オレンジスライスで華やかに
プレーンなパウンドケーキをほんのりアレンジする方法として、オレンジスライスをのっけるものを紹介。
アプリコットジャムを少量の水で溶いて熱してなじませておき、しっかりと冷ましたパウンドケーキに塗る。
そのあとオレンジスライスをお好みの枚数のせて、冷蔵庫に入れて少しなじませる。
これだけでこんな華やかなケーキになります。
まずはプレーンなパウンドケーキを練習!なんて時もちょっとのアレンジで華やかになるので気分転換にもおすすめ。
残ったオレンジスライスは↓のように入れて冷凍保存してなるべくはやく使い切るようにしている。
アイシングをかけてシャリっと感も楽しんで
こちらも粉糖さえあればできてお手軽なのでおすすめ。
粉糖をレモン果汁なんかで溶いて冷めたパウンドケーキに塗り、オーブンでほんの少し熱したら透明感のあるシャリっとしたアイシングができます。
アイシング自体はレモンケーキなんかでよく使われる手法なので、私が参考にしているサイトのURLを貼っておきます→小麦粉だいすき
このレシピの「コーティングレモンアイシング」の材料と作り方の⑧から⑫を参考にいつも作ってます。
アイシングが固まりきる前にピスタチオやレモンピールなんかを飾っても良いです。
食感や風味がさらにプラスされますし見た目もより一層華やかに。
パウンドケーキを焼くときに個人的によく使っている材料と道具
ちょっとしっとりするかなぁと使っている薄力粉はこちら。
まだ研究段階なんですが、普通に美味しいと思う。
バターはいつもこれ。くせもなく、普段使いにもってこいな無塩バターで何度リピートしたか分からないほどお世話になっている。
ハンドミキサーはパワフルなものがおすすめ。9段階で切り替えられるのと、申し分ないパワー、見た目どれも気に入って愛用。